今月の主題 DICとその周辺
DICのみられる内科疾患
血液病
前川 正
1
,
小林 紀夫
1
1群馬大第3内科
pp.822-823
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207229
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はじめに
播種性血管内凝固症候群(DIC)は多数の基礎疾患の上に発現するので,各科領域で注目されている.血液疾患でも,DICを併発しやすいものがいくつかある.DICの併発は,その疾患の病像を修飾し,予後にも直接関連する点が注目されているが,中にはDICの症候が,その疾患の主要症候となる場合もある.DICは血液凝固,線溶系や血小板のみでなく,循環動態などをも含めたhemostatic balanceの破綻の結果生ずるが,これら各疾患におけるDIC発生の機序も決して一様ではない.
DICは基礎疾患による凝固亢進状態に以下のごとき引き金因子のいずれかが作用して発現すると考えられる1).
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