臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
7.酸素療法
古田 昭一
1
1三井記念病院胸部外科
pp.2001-2008
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206943
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酸素療法は,古くから行われている大気圧下での酸素吸入療法と,近年しだいに一般化しつつある高気圧環境下での高圧酸素療法とに分けられる,酸素療法の目的は吸気に酸素を加えてやり,低酸素状態(hypoxia)を改善することにある.体組織は予備酸素を保持することができないので,心肺機能の異常で十分な酸素供給がなされないときは,吸気に酸素を追加する必要がある.高圧酸素療法も主として,この目的に沿って使用されることが多い.しかし,適用の一部には必ずしもhypoxiaの状態ではなく,normoxiaの状態で使用し,急性hypoxiaによる可逆的中毒作用を高圧酸素効果(hyperbaric oxygenation)に期待していると考えられる治療法も含まれている.したがって,酸素療法の治療機序も一元的なものではない.酸素療法の適用の状態と治療条件,および効果の大要を表1に示した.
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