今月の主題 アルコール性障害のトピックス
カラーグラフ
アルコール性肝障害の病理所見
岩村 健一郎
1
1東海大第3内科
pp.1374-1375
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206776
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病理学的にアルコール性肝障害を規定し得ろ特有な変化は認めろれていない.確かに国際肝臓学会において"アルコール性肝炎"とか"アルコール性肝硬変"の診断基準が提案されてはいる.だが,地理病理学的な違いも考えられることであるかろ,まずわが国におけるアルコール肝障害を臨床病理学的に検討することが大切であろう.そのような意味で,筆者が今日までに臨床の場で遭遇したた酒家における肝の病変を示すことにしよう.
日常問題になるのは,長期にわたる大酒家における肝障害である.したがって,急性アルコール中毒性肝障害であっても,その基盤には慢性障害があると考えなければならないであろう.組織学的に急性と慢性を分けることは可能であるが,臨床上,腹腔鏡にとらえろれるアルコール肝障害としては,脂肪肝,炎症所見を伴う脂肪肝,あるいは脂肪性肝硬変がある.
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