今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
リンパ組織の主な病気
反応性リンパ節腫脹
木村 郁郎
1
,
大熨 泰亮
1
1岡山大第2内科
pp.1230-1234
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206734
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はじめに
日常診療において,われわれがリンパ節腫脹を主訴として来院する患者に接する機会はさほど稀ではない.かかる場合,悪性リンパ腫をはじめとするneoplasticな病変をまず念頭におくべきであるが,悪性リンパ腫類似の腫脹を呈する,炎症性ないしは反応性の病変を忘れてはなるまい.筆者に与えられたテーマは反応性リンパ節腫脹であるが,元来,若干のあいまいさを含む反応性という意味を明確に想定することなく,non-neoplasticで,しかもリンパ節のprimary infectionを除いたものと広義に解釈し,リンパ節の腫大を主徴とし,悪性リンパ腫と臨床上鑑別を要すると思われるいくつかの疾患について述べることにする.病理組織学的に悪性リンパ腫と鑑別を要するnon-neoplasticなリンパ節腫脹を表1にあげておくが,これについては最近いくつかのすぐれた綜説1,2)があるので参照していただきたい.
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