開業医学入門
外来における高血圧について
柴田 一郎
pp.1008-1012
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206666
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最近の私ども内科系の外来で,最もポピュラーな病気の一つとなっている高血圧症について,私が日頃感じていることや,実際に行うように心がけていることなどについて述べてみたい.
わが国では,昭和36年に成人病基礎調査が行われているが,高血圧として収縮期圧が150以上,拡張期圧が90以上という両方の条件を満たすものが,40歳以上の対象のなかに26%あり,その数は807万人と推定されている,この調査や米国の1965年の統計,昭和46年の高血圧患者の受診調査などをもとにして,増山1)は昭和46年の時点で,約180万人が高血圧として受診しているものと推定し,実際には150/90を越えるような人々のなかで,受診している人はわずか1/4〜1/5ということになり,残りの3/4〜4/5の少なくとも半分位は野放しになっていると推定している.糖尿病が百万人の病気であると俗にいわれているのに比べても,莫大な数である.
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