今月の主題 不整脈のハイライト
刺激伝達異常に関する最近の考え方
脚ブロック
戸山 靖一
1
,
鈴木 恵子
1
1大阪成人病センター・内科
pp.38-41
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206369
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脚ブロックが心電図学上,右脚ブロックと左脚ブロックとにわけられたのは,Wilsonにより単極胸部誘導が開発された時のことである.そして,さらに右脚,左脚の分枝のブロックについては,その後Uhleyや筆者らが,犬についてベクトル心電図で検討するまでに,いくつかの研究はなされていた.わが国でも戦前,小林,木村(栄)教授らの発表があり,この時,右脚ブロックと左脚分枝ブロックについての検討がなされている.しかし,この時はまだ枝誘導のみの時代であったし,国際的な発表はなされなかったので,そのまま埋もれてしまった形となった.
筆者らが阪大第3内科で,犬の右脚を前肢,後枝に,また左脚も前肢と後枝とにわけて切断実験を行い,ベクトル心電図でQRS環の変化を追及していた時は,右脚を主幹とそのさきの分枝にわけることに賛成しなかった人もあった.またUhleyの仕事にしても,筆者らの成績にしても,そこから得られたQRS環の形が,それぞれの分枝切断によって生じたとしても,一般の承認を得られてはいなかった.
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