ベクトル心電図入門・5
脚ブロック
戸嶋 裕徳
1
1久大木村内科
pp.1774-1776
発行日 1971年11月10日
Published Date 1971/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203905
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心室筋の興奮は,房室結節からHis束,左右の脚,Purkinje線維を介して伝えられる.これらは心室に興奮を伝えるための特殊刺激伝導系であるが,虚血,炎症,変性などの病変によって障害をうけやすい.His束が侵されるか,両脚が共に障害をうけると完全房室ブロックとなるが,右脚,左脚が個々に障害されることにより,右脚ブロック,左脚ブロックをきたし,障害された脚により支配される心室の興奮が遅れ,心室興奮時間の延長をきたすことになる.
心電図では,心室興奮時間の遅れはQRS間隔が0.12秒をこえることで容易に診断できるが,ベクトル心電図では時間的計測は困難であるので,輝点の密集度により興奮の遅延を診断することになる.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.