今月の主題 SLE—成因から治療まで
SLEの診断
SLEを疑うとき
本間 光夫
1
1慶大内科
pp.1921-1923
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206330
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SLEは次のように定義される.すなわち①全身性,非感染症性,非腫瘍性,自己永続性の疾患である.しかもルプス素因という遺伝的に決定づけられたものを発症に必要とする.②臨床的に多臓器障害性で,障害臓器の定型的臨床像をもち,間歇的に再発と緩解を示す.③自己免疫現象とくに諸種抗核抗体がみられる.④病理組織学的にフィブリノイド壊死を伴う血管障害が特徴で,ときにヘマトキシリン体が証明される.
したがってSLEを疑うときというのは,これらの項目を示す患者を診たときということに要約できる.その段階で,SLEの分類予備基準にあてはめるという手順をふむことになる.誤診を防ぐという意味からどのような症例についてSLEを疑うかは極めて大切である.しかも,このことは早期診断を成功させることにもつながる.以下,項目を分けて述べる.
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