診療相談室
いわゆる老人心について
杉浦 昌也
1
1東京都養育院付属病院
pp.1875
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206320
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質問 いわゆる老人心(Altersherz)とは,いかに定義したらよいでしょうか.最近,ECGと臨床所見とのdissociationに困っています.(横浜市 Y生 46歳)
答 大変難解な問題です.いわゆる老人心(Altersherz,presbycardia)の定義ですが,"老人の心臓"という広い意味にとりますと各種の心臓病と種々の老化とを含むこととなり混乱します.そこで"心臓病のない老化心"と考えておきます.60年ないし90年もの長期間休むことなく収縮を続けている以上,なんらかの異常,すなわち老化の存在が考えられるが,はたして老化しない心臓があるのか,それとも正常(生理的)に老化した心臓というべきものか議論のあるところです.また,老化だけにより心臓病が起こりうるのかどうかも問題です.
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