今月の主題 高血圧の問題点と最近の治療
高血圧の治療
老人性高血圧の治療
杉浦 昌也
1
1東京都養育院付属病院診療第1部
pp.1410-1411
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207405
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はじめに
高血圧の頻度は年齢とともに増加する.老年者高血圧は中・壮年期に発症した本態性高血圧の老年期に移行した拡張期高血圧と,老年期の動脈硬化進展とともに発症する収縮期高血圧に大別することができるが,加齢とともに頻度を増すのは主に後者である.また拡張期高血圧の原因は本態性のほかに腎血管性,腎盂腎炎,腎結石ないし前立腺肥大に由来する水腎症などの腎性の原因がある.内分泌性高血圧もないわけではないが,頻度が低い.高血圧の重症度からは,収縮期血圧が160〜200mmHg,拡張期血圧が90〜110mmHgの軽度から中等度の高血圧が多く,重症の腎不全を伴ったものや,悪性高血圧の頻度は少ない.
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