今月の主題 肺癌—その理解と対処のために
X線診断
浸潤型の鑑別
吉良 枝郎
1
,
荒井 達夫
1
,
鈴木 俊光
1
1自治医大呼吸器内科
pp.1786-1788
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206292
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第15回日本医学会総会において本間教授が指摘されたように,肺癌のX線像は極めてヴァリエーションに富み,孤立性結節,無気肺,腫瘤,空洞形成,多発結節,浸潤影,粟粒影,索状,胸水像など多彩である.coin lesion,腫瘤影を示す患者をみた場合,患行が癌年齢にあり,重喫煙者であり,咳嗽,血痰のエピソードを伴っていれば肺癌を疑うにそう困難ではないが,輪郭の不鮮明な,限局する種瘍という陰影とは全くかけ離れた浸潤影がみられる場合が最も問題となろ.しかも,かかる浸潤影を示す症例はcoin lesion,腫瘤型の陰影を示す症例に比べ決して少ないものではない.
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