図解病態のしくみ 炎症のしくみ・2
炎症の経過とchemical mediator
水島 裕
1
1東大・物療内科
pp.1716-1717
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206275
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急性炎症の経過を模型的に示すと,おそらく図1のごとくになろう.炎症の経過は図に示したように,大きく組織障害,組織反応(急性滲出性炎)と修復の3つに分けられよう.また,炎疲そのものについては,血管の変化を中心とする第1期,多核白血球の浸潤を中心とする第2期,単核球の浸潤から修復までの第3期と3つの段階に分けられる.炎症の原因となる刺激が局所に加わった場合,組織からchemical mediatorが放出あるいは活性化され,それが血管内皮細胞に働き,血管運動神経の異常もあいまって,血管は拡張し,透過性が増す.この血管の変化から,多核白血球遊走がおこるまでには,血管内を中心とする複雑な変化がおこる.すなわち,図1の右側に示した細静脈拡張をはじめとする変化である.これらの変化は,大部分chemical mediatorによってもたらされるものと考えられるが,どのmediatorが重要かに関しては不明の点が多い.
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