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文献・索引も完備した手頃な参考書
本書は題名の示すごとく,in vitroの核医学についてまとめたものである.核医学というとscanningを中心としたいわゆるin vivoの核医学が従来から中心であるが,その後Radioimmunoassayの進歩を主力としたin vitroの核医学がこれに加わり,急速な進歩をとげつつあるのが現状である.これまでin vitroの核医学については,それぞれの応用領域において述べられたものが多く,核医学の一分野としてまとめられたものはなかった.本書はこのような境界領域にあるin vitro核医学についてまとめたという点で特徴を有し,また極めて価値の高いものであるといえよう.
内容は35名の著者によりアイソトープの計測,放射化分析,検査室,循環血液量,B12,葉酸欠乏症,鉄代謝異常症のアイソトープを使った検体検査法から始まり,RadioimmunoassayとCompetitive Protein BindingAnalysis(CPBA)を総括した名称であるCompetitiveRadioassayの原理,さらに応用としてコーチゾール,甲状腺ホルモン,女性ホルモン,男性ホルモン,ジギタリス,成長ホルモン,TSH,ゴナドトロピン,ガストリン,グルカゴン,インスリン,カルシウム調節ホルモン(副甲状腺ホルモン,カルチトニン),レニンアンジオテンシン,アルドステロンの測定,次に最近問題となっている腫瘍抗原,脂肪の呼吸,蛋白漏出症,HB抗原,細菌学への応用,まとめとして将来への展望などを含んでいる.索引も完備しており総頁423で手頃な大きさである.各章の文献も豊富でよい参考となる.入門書としても,また現在この方面の仕事をしておられる方々にとっても,非常によい参考書としてすすめることができる書物である.
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