超音波診断の読み方
前立腺疾患
渡辺 泱
1
1東北大泌尿器科
pp.1534-1538
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206223
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前立腺は充実性の腺性軟部組織なので,X線はほとんど透過してしまい,造影剤も有効に用いられないので,これまで前立腺そのものを具象化できる巨視的検査法はなかった.この目的に超音波断層法が適していることは明らかだったが,従来用いられてきた体表からの走査法では,骨盤骨によって音が遮られるために,実際の診断に応用できるような優秀な前立腺の超音波断層像は得られなかった,そこで筆者らは,超音波の送受信を行う探触子を肛門から直腸内に挿入し,経直腸的に骨盤腔内臓器の断層像を得る経直腸約超音波断層法の開発に着手し,その実用化に成功した.ここではまず筆者らが開発した経直腸的走査専用装置を紹介し,各種前立腺疾患の断層像を供覧して,その診断の要点を概説
したい.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.