臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅲ トピックス
86.集団検診—前立腺
渡辺 泱
1
,
宮下 浩明
1
,
大江 宏
1
1京都府立医科大学・泌尿器科学教室
pp.2548-2550
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220122
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前立腺癌の罹患率は従来欧米で高く,わが国では低いとされてきた.しかし,前立腺癌の年次別死亡率(男子人口10万対)をみると,1950年では0.2であったものが1982年では3.5と,この33年間に17.5倍も増加していることがわかる(図1).このような急激な増加を示す癌はほかになく,従来のような治療医学の面からだけでは対策として不十分であり,予防医学の面からの対策が検討されなければならなくなってきた.そこで私たちは,前立腺癌の早期発見を目的として,1975年に経直腸的超音波断層法を用いた前立腺集団検診システムの開発に着手した.以来,数々の改良を加え,現在ではほぼ本システムの完成をみるに至った.本項では当教室で行っているこの前立腺集団検診システムを中心に述べることにする.
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