図解病態のしくみ 循環器シリーズ・6
虚血性心疾患
博 定
1
1横浜市大第2内科
pp.1424-1425
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206195
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虚血性心疾患(ischemic heart disease, IHD)は,いうまでもなく,冠循環障害によって心筋の酸素需要に対し動脈血の供給が不十分な時に発生する.したがって,心筋の酸素需給の不均衡が病態生理の出発点となり,その後,冠循環の変化に応じて時系列的に心筋の質的,量的変化が生じ,血行動態の異常に発展する.
IHDの原因としては,その90%までが冠動脈の硬化である.硬化以外の冠動脈疾患(梅毒,arteritis)や重症大動脈狭窄症に随伴する冠不全,あるいは心房細動に伴う血栓による心筋硬塞などは極めて少ない.しかし,小児科の領域で先天性奇形(冠動脈起始異常,単一冠動脈)や川崎氏病があるので覚えておく必要がある.
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