今月の主題 感染症—最近の話題
細菌感染症—特殊宿主と感染
免疫不全と感染
松本 脩三
1
1北大小児科
pp.1182-1184
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206123
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免疫不全(immunodeficiency)とは,免疫系の主たる機構のいずれかの部分の原発性または続発性の欠陥に伴い,宿主が主として感染侵襲に対して危険な状態におかれる均衡破綻の表現である.小児,成人の別を問わず,原発性と続発性のいずれもが経験されるが,実際的には小児期には前者にウエイトがあり,成人期では後者をとり扱う機会が圧倒的に多い.すなわち抗腫瘍剤使用中の悪性疾患ならびに移植患者を主体としたcompromised host(被感染危険度の高い宿主)であるが,それらは後の章に詳述されているので,ここではそれらのモデルとなる原発性免疫不全症における感染像の特徴を要約する.
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