内科専門医を志す人に・私のプロトコール
V.血液
西崎 統
1
1聖路加国際病院・内科
pp.966-967
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206053
- 有料閲覧
- 文献概要
●新しい知識を得る場として
内科専門医受験を志すためには,幅広い,奥深い知識が要求されると同時に,最近の新しい知識も必要とされる.もちろん,専門医の試験のためだけではなく,内科医として常に新しい知識を吸収してゆくことは大切である.とくに内科臨床研修中はその機会が非常に多い.まず輪読会,抄読会,症例検討会,研究会,CPC,学会などがある.その中でもとくに輪読会,抄読会はたいていの医局,あるいはグループで,いろいろな形式で気軽に行われているであろう.その場合,材料は成書,雑誌,文献,論文などといろいろあるが,できるだけ広い分野にわたっていることが望ましい.中でも比較的新しい外国雑誌,また問題となっている症例に関連した文献などを,とくにおすすめしたい.抄読会にもいろいろな方法があると思われるが,単に論文を直訳し,その原稿をただ読むだけでは,聞き手にとってはあまり興味はなく,また記憶に残らないことが多い.そこで,できるだけ論文・文献の内容を整理,要約し,決められた時間内にわかりやすく説明できるよう訓練した方がよい.このような方法にすれば,新しい知識の吸収はいうまでもなく,話し方,説明の仕方の訓練にもなり,聞き手にとってもはるかに理解しやすいので,一挙両得となる.さらに,できれば各分野の専門家に出席を願って,ディスカッションの場を持ち,また専門家の意見を聞く機会を持つようにすると,いっそう効果があるのではないかと思われる.
そのほか,いろいろな機関でもたれるCPC,研究会,さらに学会にも積極的に出席するように努め,新しい知識の吸収,ならびに最近の話題点を知るように,常に心がけることも大切であろう.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.