今月の主題 心身症からみた症候群
心身症の成り立ち—精神科的立場から
山下 格
1
1北大精神医学
pp.262-263
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205802
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心身症という対象はひとつであるが,とらえ方は人によってさまざまに異なる.これは心身症そのものの特異性にもよるが,本症に関する科学的な研究の歴史が浅く,さまざまな仮説が追試をへて十分に整理,統合されていないためとも考えられる.本題の「心身症の成り立ち」についても,内科と精神科のふたつの立場から意見がのべられることになっているが,これもある意味では心身医学の学問としての未成熟さを暗示するものかもしれない.ともあれ筆者としては,これまで精神科医のあいだで論議をよんだ考えのいくつかをできるだけ手短に紹介することにしたい.それが内科的立場からの見解とはなはだしくくい違って読者を混乱させることがないように願っている.
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