演習・X線診断学
単純X線写真による読影のコツ(1)—X線診断の基本的な心がまえと胸部X線写真読影のステップ
大澤 忠
1
1自冶医大放射線科
pp.82-85
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205745
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数多くの特殊X線検査法が行われるようになったが,我々が毎日読影するフィルムの大半はやはり造影剤を用いない単純写真である.我々の大学病院でも,フィルム枚数からみると,特殊X線検査の占める割合は大きくなるが,検査件数では単純撮影が80%近くを占めている.そのうち約50%強が胸部写真,残りが腹部単純,四肢,脊惟,頭部単純写真などである.
胸部は空気という陰影造影剤,骨系統はカルシウムやリンという天然の陽性造影剤を含んでいるわけで,多くの場合造影検査などの手技を用いることなしに病変をフィルム上に把握できるという決定的な強味がある.
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