演習・X線診断学
単純X線写真による読影のコツ(5)腹部単純写真
大澤 忠
1
1自治医大放射線科
pp.971-973
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206055
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腹部は胸部や骨系統と異なり,同じ程度のX線吸収度の組織,器官が隣接して存在するので,X線診断には消化管造影,腎盂造影,後腹膜気膜,血管造影などの造影検査が必要になる.そのためが,造影剤を用いない腹部X線検査―腹部単純写真(KUBとも呼ばれる;K-腎,U-尿管,B-膀胱)の価値は比較的軽視されている場合が多いようである.しかし,KUBはすべての腹部造影検査の基礎であり,注意深く観察することによりpositive,negative両方の意味で多くの情報が得られ,予期しない異常所見を発見するチャンスも胸部単純写真に近い.
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