演習・X線診断学
単純X線写真による読影のコツ(4)縦隔腫瘤陰影
大澤 忠
1
1自治医大放射線科
pp.814-816
発行日 1975年4月10日
Published Date 1975/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206004
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縦隔疾患に対するX線検査には,食道造影,断層撮影,気管支造影.診断的人工気胸.気縦隔,気腹,血管造影,脊椎腔造影などがある.しかしその前に,単純写真でできるだけ鑑別診断をしぼって次の検査を決める必要がある.この場合,単純撮影を高圧撮影で行うと縦隔の内部の状態もある程度判定できるので有利だが,一方,石灰陰影はわかりずらくなる.そのため.通常用いられる50〜70KVPで多少曝射過度の写真を加えるのが望ましい.
さて,縦隔は胸部正面像では両肺に界されたいわゆる中央陰影として示され,症例1,2,3のように異常腫瘤陰影があってもその部位深さはわからないことが多い.側面写真で腫瘤陰影の深さ,存在位置を知ることが鑑別診断の第一歩である.また,正面像は正常で側面像でのみ腫瘤陰影が観察されることもある.
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