今月の主題 神経内科の動き
知っておきたい薬物療法
脳血管拡張剤の使い方
山口 武典
1
1九大第2内科
pp.1448-1449
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205664
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はじめに
脳血管拡張剤を使用する目的は,血流の減少した部分の循環状態を改善して,酸素,糖質の供給および代謝産物の運び出しを円滑に行なって,少しでも脳の機能を正営に維持しようとすることにある.したがって,適応症としては虚血性脳血管障害(脳硬塞,一過性脳虚血発作)のほかに,いわゆる脳動脈硬化症,脳動脈硬化性痴呆,脳動脈硬化性パーキンソン症候群などがある.第1の適応と考えられていた脳硬塞に対する脳血管拡張剤の使用に関しても,未だ議論が絶えないので,本稿では脳硬塞における本剤の使用上の注意を中心に,適応,禁忌について述べ,脳血管攣縮の対策についても言及する.
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