今月の主題 血管炎とその臨床
血管炎の概念
内科的立場から
塩川 優一
1
1順大内科
pp.2046-2047
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216271
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血管病変と臨床症状
現在の医療体系では,血管病変の診療とその研究は主として外科において行われている.その理由は,虚血に基づいて生じた四肢の壊疽性病変に対して外科的処置が行われるためであろう.もちろん,内科においても多くの血管病変に基づく臨床症状を取り扱っているわけであるが,従来は,それらは臓器病変として把握するのが通例であった.
ところが,膠原病,リウマチにおいては,古くより結合組織と血管の炎症を主とし,これがその病像を支配していることが知られている.しかも,その周辺には多くの血管病変を伴う疾患がある.筆者は難病の研究に当たっては血管炎の立場より各種の疾患を見直す必要があると考えた1).
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