今月の主題 高脂血症の意味するもの
どのような時,高脂血症がみられるか
⑳脳卒中,虚血性心臓病と高脂血症
戸嶋 裕徳
1
,
合田 洋男
1
1久留米大第3内科
pp.484-485
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205388
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1954年第2回国際心臓学会において,初めて冠動脈疾患と食餌性脂肪および血清コレステロール似下血清chと略)の関係が発表1)されて以来,アテローム硬化の促進因子の1つとして高コレステロール血症が注目されるに至り,Keysら2)による国際的な疫学的研究やKannelら3,4)によるFramingham studyなどにより,その意義が明らかにされている.最近American Heart Associationも,冠疾患のrisk factorとして血清ch 260mg/dl以上,空腹時中性脂肪250mg/dl以上あるいは電気泳動による明らかなPre-βリポ蛋白分画の存在をあげている.
一方,本邦における虚血性心臓病の頻度は最近,増加傾向を示しつつあるとはいえ,いまだに脳卒中が圧倒的に多く,高脂血症の頻度および程度は欧米にくらべて低く,高脂血症よりはむしろ高血圧との関連性に重点をおく人が多い.
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