今月の主題 高脂血症の意味するもの
どのような時,高脂血症がみられるか
㉑免疫疾患と高脂血症
中谷 矩章
1
,
重松 洋
1
1慶大・内科
pp.486-487
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205389
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免疫疾患と高脂血症を論ずるにはdysglobulinerniaと血清脂質の関係を中心に述べねばならないが,ここではこの分野において最もよく研究され,興味ある知見が得られている骨髄腫と高脂血症を中心として述べることにする.
骨髄腫において血清脂質を調べた報告は比較的多く,その大部分が血清コレステロールおよびβリポ蛋白が正常より低下していたという成績を示しているが,骨髄腫に高脂血症,黄色腫が合併した症例が相次いで報告されるにおよび,骨髄腫と黄色腫のように稀な2つの疾患が偶発したと考えることは統計学的に困難となってきた.かくて人々の関心が骨髄腫蛋白(M蛋白)と脂質の関係に向けられ,M蛋白の抗リポ蛋白作用が見出された.そしてこれらの知見をもとにして,Autoimmune hyperlipidemiaという概念が主としてフランスのBeaumont1)を中心とする学者らによって確立された.
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