アルコールによる臓器障害・2
アルコールと血液
日野 志郎
1
1東京逓信病院・内科
pp.251-253
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205320
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アルコールの歴史は古いが,それと血液学が結びついたのは比較的新しい.アルコール性肝硬変症に大赤血球性貧血をみた初めはドイツのGram(1884)だといわれ,この貧血を肝硬変症のないアルコール中毒患者にみて栄養との関係を示唆したのはBianco & Jolliffe(1938)だとされている,白血球や血小板への影響が注目されたのはごく最近のことである.
ヒトのアルコールによる血液学的研究の大部分は慢性アルコール中毒患者についてであって,表題に急性中毒となっていても,ほとんどは慢性中毒患者に断酒した後のことであり,条件にかなりの制約があることはやむをえないにしても,研究結果を判断する際には注意を要する,わが国の血液学領域にはほとんど報告をみない.
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