今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり
心と酸・塩基平衡異常
心不全
齋明寺 央
1
,
久保 新一郎
1
1京大・第3内科
pp.186-189
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205301
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心不全における酸・塩基平衡1〜3)には,腎不全や呼吸不全を伴わない軽症ないし中等症では,それほど著明な異常を認めないのが普通である.動脈血酸素分圧(Pao2)正常〜軽度低下に伴い,軽い呼吸性alkalosisに傾く場合が多い,重症肺水腫や肺性心の増悪した場合には,hypercapnia(呼吸性acidosis)with hypoxemiaとなる.他方,病態生理と治療,ことに利尿剤によって代謝性alkalosisやacidosisが惹起されることはしばしば経験する.その対策を実地に即して考えたい.
心不全による肺うっ血は通常,hyperventilationと軽いhypocapniaを伴う.これに対しては心不全に対する通常の治療の他には特別の治療を要しない.
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