今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり
心と酸・塩基平衡異常
ショック
隅田 幸男
1
1国立福岡中央病院・心臓血管外科
pp.190-191
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205302
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補正の必要性について
ショック時の酸塩基平衡の異常は,必ずしも積極的に治療する必要はない.原因除去,そして呼吸と循環に対するきわめて一般的な処置を終了した時点で,さて何かすることはないか?と一息ついてから,それでは酸塩基平衡の補正でもするか,といった具合でよいと思う.
ショック時の酸塩基平衡の異常は,末梢循環動態と呼吸の障害によって生じる.細胞の好気性代謝の障害により乳酸と焦性ブドウ酸が増加し代謝性acidosisが主体となる.これに,アミノ酸,遊離脂肪酸(NEFA),ケトン体などの増加が加わって,しばしば治療困難な酸塩基平衡異常をかもしだすことは事実である.
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