特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VI 糖尿病・代謝
1.糖尿病治療の問題点
老年期の糖尿病治療の要点
村地 悌二
1
1日医大・老人病研究所・臨床部
pp.1766-1767
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205097
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老年期における糖尿病の診断
老年期の患者を対象とした場合,まずどのような例を糖尿病として治療するかということが問題となる.一般に糖尿病の診断には,今日でも糖負荷試験が最も鋭敏かつ確実な診断法として広く利用されているが,糖尿病以外で糖負荷試験に異常をきたしやすい様々な状態のあることも常に念頭におかなければならない.特に老年期には,年齢そのものと関係してひき起こされる軽度の糖代謝障害が問題となってくる.
日本糖尿病学会の委員会1)によって勧告された糖負荷試験の判定基準は,全年齢層を対象として一律に定められている関係もあって,糖尿病が多く含まれるという意味の糖尿病域の判定基準は比較的高い血糖値のところにおかれている.
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