特集 老人医療と病院
老年者の医療
村地 悌二
1
1日本医科大学・老人病研究所・臨床部
pp.22-26
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204621
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●はじめに
戦後のわが国では,乳幼児期や青年期の死亡率が著しく低下し,老年期に達する人びとの数が増加したが,この年代の死亡率はむしろほとんど改善されていない.たしかに健康な老年者に接する機会も多くなったが,同時に,疾患に悩む年老いた人びとの数も疑いなく増しており,医療の中に占める老年者の比重は年とともに大きくなってきている.
こうした老年者の医療はどのような態勢で行なわれるのが望ましいか,またその中で病院がいかなる位置を占めるべきか,というような問題については,他に適当な論者がおられると思う.本稿では,老年期の疾患ならびに老年患者の特性に関し,かねがね感じている2,3の基礎的な事項を記して,老年者の医療を考える上の参考に供したいと思う.
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