今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール
日本人にみられるリウマチ性疾患の特色
佐々木 智也
1
1東大保健センター
pp.1110-1111
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204879
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日本人のリウマチ性疾患と主にヨーロッパ系白人とアフリカ系黒人とについて記されている欧米の教科書とは,異なっている点がありそうだとは誰でも気付くことと思う.たとえば,東南ヨーロッパからアジアにかけては非常に重要なリウマチ近縁疾患であるBehçet症候群の名前を知らない日本の臨床家はいないと思うが,ヨーロッパでは遠い国の病気であり,われわれが家族性地中海熱familial Mediterranean feverという病気を考えるときと似た気持のようである.因に,この病気は周期性・発作性に起こる多発関節炎と他の漿膜炎とを特色とする遺伝疾患で,いわゆる回帰性リウマチpalindromicrheumatismの診断を下すには第一に鑑別すべき重要疾患とされながら,日本では一顧をする価値すらないように扱われている.
冒頭にひどく馴染めない病名が出てしまったが,これは1つの例として示したもので,より一般的にみられるリウマチ性疾患がどうであるのか,あるいは,勉強家の臨床家が原書を読まれて,そのままに日本に応用し得ない部分があるかどうか,貧弱な知識を動員して示したい.
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