検体の取扱い方と検査成績
血清酵素の定量検査
玄番 昭夫
1
1群大中央検査部
pp.1072-1073
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204869
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検査以前に起こっている誤り
溶血血清 血清中の酵素量はきわめて僅かである.これに対し,血球成分,とくに赤血球中の酵素量は血清と比較すると非常に多量である.いまいくつかの酵素につき,赤血球と血清の量的比を較べてみると図1のようになる.すなわち酸ホス(酸性ホスファターゼ),LDH,GOTなどは赤血球中に血清よりも40-100倍も多く含まれているので,僅かの溶血血清でも真の値より高くでてくる(正誤差).アルギナーゼという酵素にいたっては1000倍も多いので,溶血血清で測定してみても血清の活性値の増加を測定しているのか,あるいは溶血の度合いを測定しているのかわからないことになる.
これに対してGPTはやや事情が異なる.
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