図解病態のしくみ
水・電解質平衡の異常(2)
河合 忠
1
1日大・臨床病理
pp.926-927
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204831
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血漿中の電解質のうちもっとも多量に含まれているのは食塩,すなわちNa+Cl-である.Na+は血漿中に平均142mEq/lの割合で含まれ,陽イオン総量の約92%を占めているし,Cl-は平均110mEq/lで,血漿中の陰イオン総量の約71%を占めている.Cl/Naの濃度比は平均して73%,65-80%になっている.したがって,NaClは酸塩基平衡の維持,筋収縮性,神経の刺激伝導性に重要な役割を示すが,とりわけ滲透圧の維持が主要なはたらきであろう.しかも,飲食物中の主要な電解質成分であり,もっとも多量に失われるのも食塩である.そこで今回はNaClについての病態を考えてみよう.
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