図解病態のしくみ
水・電解質平衡の異常(1)
河合 忠
1
1日大臨床病理
pp.782-783
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204789
- 有料閲覧
- 文献概要
電解質はイオンの形で体内に存在し,多くはイオンとしてはじめてその生理的機能を発揮しうる.ところが,電解質がイオンとして存在するためには必ず水に溶解していることが必要である.したがって,水平衡と電解質平衡の間には切っても切れない密接な関係が存在しているわけである.
水分は,成人男子では平均体重の約60-70%,女子では脂肪組織が多いため体重の約40-50%を占める.幼児ではさらに水分が多く,新生児では80%にまで及ぶ.体内の水分のうち約70%は細胞内に,約30%は細胞外にあり,血管を流れる血漿水分は細胞外水分の一部であって,体重の約6%を占めている.体液水分の容積は中枢性に調節されており,主として下垂体前葉から分泌される抗利尿性ホルモン(ADH)の作用によって,腎から排泄される尿量によって調節されている.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.