図解病態のしくみ
貧血
日野 志郎
1
1東京逓信病院内科
pp.110-111
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204578
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右頁の図の左にある血液というところから見ていくことにしよう.血液には赤血球が含まれている.赤血球の働きは,その中のヘモグロビンによって代表されている.
赤血球量が健康体ではほぼ一定に保たれているのは,約120日という寿命で壊れていくものがある一方,これに見合った量が造血で補われているからである.この均衡が破れて赤血球が減った状態が貧血であるから,貧血のおこる機序には,(1)造血の低下と,(2)破壊(溶血)の亢進が考えられる.このほかに(3)出血もあるが,慢性出血の場合は"鉄の体外への喪失"を介して貧血になり,急性大量出血の場合は一時的に"貧血状態"になるに過ぎないので,ここでは深入りを避ける.
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