診断のポイント
小体症をみたとき
原田 義道
1
1鳥取大・第3内科
pp.2253-2257
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204516
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小体症とは
同年齢の正常小児に比べて身長の低いものが広い意味で小体症と呼ぶならば,著しく低いものが,こびと症dwarfismである.従来いろいろの人の定義があるが,Kirchhoff1)はM(平均身長)-3σ(標準偏差)以下をZwergwuchs(侏儒症,こびと症),M-σからM-3σまでをKleinwuchs(小人症)としている.筆者ら2)はM-3σ以下をこびと症,MからM-3σまでを正常短躯者と呼んでいる.小体症はこの侏儒症から正常短躯者までを含めた広い意味での低身長者を指すものとして,今ここに小体症の患者を見た時,いかに診断し,治療可能なものは治療し,その予後がどのようなものであるかを,具体的に述べてみたい.
治療法は成長ホルモンがまだ日常的に使用されない今日では,乾燥甲状腺末と蛋白同化ステロイドの併用を主軸とする治療法しかない3).治療可能の限界は長管骨の骨端線が未開放の期間であり,骨端線が閉鎖していれば,いかなる治療法も現在では無効である.
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