診断のポイント
1秒率低下の意味づけ
滝島 任
1
1東北大・第1内科
pp.2123-2127
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204492
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はじめに
1秒率とは,できるだけ息を吸いこんで,力一杯,最後まで一いきに呼息した際,吸いこんだ空気量(吸気肺活量)の何%を呼気はじめの1秒間ではき出しうるか,を表わす指標である.健康若年男子では80%以上,50-60歳を過ぎると70%あるいはそれ以下に低下する.
1秒率が健康者よりも低い値を示すことは,呼気時に閉塞性障害が存在することを意味する.もう1つの重要な意味をもつ吸気時にも閉塞性障害が存在するか否かをきめることは1秒率からはできない.1秒率は呼気時の最大努力性呼気曲線から求められるものだからである.
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