臨床家の薬理学・8
Ⅷ.降圧剤
今井 昭一
1
1新大・薬理学
pp.1776-1777
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204428
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降圧剤
高血圧は,腎疾患や内分泌腺の異常の際にも見られるが,最も多いのは,いわゆる本態性高血圧,即ち原因不明の高血圧である,従って,原因にさかのぼった治療は不可能であり,もっぱら降圧剤を用いた対症療法的治療が行なわれている.
高血圧が持続すると,心臓に対する負担が増して心不全を来たしやすい.また,動脈硬化が正常血圧のヒトよりも速やかに進行し,脳出血心筋硬塞,腎不全が早期に現われる.しかもこのような二次的障害発現の頻度は血圧の高さに比例する.そこで降圧剤を用いれば,これらの二次的変化の進行が抑制され,寿命を延長することができるという考えからである.
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