診断のポイント
白血病を早くみつけるためには
宮田 久寿
1
1日赤中央病院・血液科
pp.1588-1592
発行日 1972年7月10日
Published Date 1972/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204390
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はじめに
白血病は臨床症状や経過の緩急から急性と慢性とに分けられ,増殖している細胞の種類によって骨髄性とリンパ性とに大分される.急性白血病では増殖する細胞が極めて未熟で,従って骨髄性かリンパ性かの判断は非常に困難な場合が少なくない.またその臨床症状も極めて近似しているので,実際問題としては強いて両者を区別せず単に急性白血病という診断がつけばそれでよいわけで,然るのち病的細胞の種類を検討するように心掛ければよい.
白血病においては,組織に増殖した白血病細胞は通例血中に多数出現するものであるが,出現が少数か,まれにはまったく出現しないこともある.白血病で末梢白血球数が正常値かまたはそれ以下の場合を非白血性白血病(広義)といい,骨髄などの組織にのみ白血病性変化が存在し,末梢血には白血病細胞がまったく出現しないものを狭義の非白血性白血病として,区別して取り扱う場合もある.
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