今月の主題 内分泌疾患を診るこつ
内分泌疾患をみつけるこつ
患者の訴えからみつけるこつ
出雲 博子
1
1聖路加国際病院内分泌代謝科
pp.858-862
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103924
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内分泌疾患の患者の訴えは,不定愁訴のような症状,あるいは動悸(循環器疾患)や生理不順(婦人科疾患)といった他臓器の疾患を思わせるような症状が多い.また,初診時にその疾患の教科書に書いてある典型的な症状がそろっていることは稀で,一部の症状のみ呈していたり,日を追ってほかの症状が出てくることが多い.さらに,脱毛など,患者はそれを病気の症状とは思わないため,たとえ存在しても訴えない症状も多く,医師が質問して初めて存在が明らかになることも多い.したがって,症状から診断へ結びつけるのは簡単でないことも多い.しかし,一方,よくその疾患の症状を知っていれば,患者を一目みただけで,診断のつくことも少なくない.
内分泌疾患を診断するには,各ホルモンのいろいろな臓器への作用とそのホルモンの欠乏,あるいは過剰により呈しうる症状をよく知っておくことが重要である.そして,日を追って症状の経過をみること,患者が訴えなくとも医師のほうから症状をよく聞きだすこと,よく診察をすることが大切である.
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