救急診療
急性虫垂炎の鑑別診断と治療
中島 幹夫
1
1虎の門病院・腹部外科
pp.658-659
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204092
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
急性腹症として受診するものの中では,急性虫垂炎は最も多い疾患であり,虫垂炎は早期手術との考え方が普及している今日,患者が手術を希望して来院する場合すら少なくない現状である.膿瘍形成,汎発性腹膜炎等の合併症を伴う虫垂炎の症例が比較的少なくなった反面,虫垂切除が安易に行なわれることが多く,切除された虫垂の病理検査では,8.3%が正常であるとの報告もある.定型的な虫垂炎の診断は困難なことではないが,常に慎重な鑑別診断が望ましい.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.