診断のポイント
小腸機能検査のすすめ方
笹川 力
1
1長岡中央総合病院内科
pp.605-609
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204080
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小腸の機能
小腸はその運動によって,十二指腸から入ってきた食餌内容を1.5〜3.5時間を要して回腸末端まで輸送し,その間に分泌や各種栄養素の消化吸収を行ない,生命保持に欠くことのできない大切な機能を有している.またアルブミン代謝にも大きな位置を占めていることが近年明らかにされた,すなわち,肝でアミノ酸より合成されたアルブミンは血管系を循環し,一部は組織蛋白の生成にあずかるが,他は小腸内に排出されてアミノ酸に分解され,再び吸収されて肝でアルブミンに合成されるという,いわゆる腸肝循環が行なわれている.さらに肝で合成され,腸内に排出される胆汁酸についても腸肝循環が認められ,回腸下部の病変,切除,バイパスなどでその再吸収が障害された場合には,大腸での水分吸収が妨害され,下痢をみる.最近,このようなCholegenic diarrheaあるいはCholerheic enteropathyにイオン交換樹脂であるコレスチラミンが有効であると報告されている1)-3).
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