今月の主題 甲状腺疾患のすべて
甲状腺機能検査
甲状腺機能検査のすすめ方
仁瓶 禮之
1
1名大・第1内科
pp.1329-1331
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206163
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はじめに
甲状腺機能検査は,放射性ヨードの利用により,ヨード代謝を中心としたin vivo testの開発が進んだが,最近では,血中ホルモン濃度の測定等in vitro testの開発が盛んで,数多くの甲状腺機能検査法が提唱されている.
現在,一般に行われている検査法は表1に示したようなものであり,甲状腺自体の検査,血中甲状腺ホルモン濃度およびその結合蛋白の測定,甲状腺ホルモン作用の検査,甲状腺調節機構の検査,およびそのほかシンチグラム,抗甲状腺抗体,甲状腺生検等に大別することができる.このうち,血中サイロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3)およびTSH値,レジン摂取率(RT3U),基礎代謝率(BMR)および甲状腺131I摂取率(131Iuptake)等がよく用いられている.実際の臨床では,臨床所見から予測される甲状腺の異常を確実にするのに必要な検査を選択し,順序立てて行うことが必要となる.表2に,甲状腺機能および甲状腺腫の状態から選択すべき検査を示した.表示した検査は,だいたい左から右の順に行うのが妥当なように配置した.以下,これらの検査法の意味,検査結果の解釈の仕方等を中心に述べる.
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