各科のトピックス 外科から
脳卒中の外科療法—亜急性期高血圧性脳出血の手術
金谷 春之
1
,
大沢 謙一
1
1岩手医大第2外科
pp.1558-1559
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203851
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外科から
従来内科的療法の対象であった高血圧性脳出血に対し,脳神経外科的療法が行なわれるようになってから近時その手術適応,手術時期などに関して外科,内科を問わず多くの関心が払われるようになってきている.光野の報告1)によると昭和45年11月で本邦における高血圧性脳出血手術症例は514例を数え,本手術療法に対する高い関心がみられる.
高血圧性脳出血は,脳内の出血に伴う急性占拠性病変であり,その経過が急性,亜急性の如何を問わず脳内に血腫が存在する限り,頭蓋内の病態は程度の差こそあれ,頭蓋内圧亢進,脳循環および脳代謝の障害,二次的脳浮腫などを来たすもので,ひいては脳嵌とんなどを招来する.外科的療法の目的は,これら諸障害を改善もしくは解除し,救命するとともに機能脱落の程度を最少限に止めようとすることにある2)3)4)5)6)7).したがって発症よりの時日の経過にかかわらず,血腫の存在が確められた場合には,できるだけ早期に血腫摘除が望ましいものである.
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