症例
Cephaloridine投与中,著名な肝障害を呈した1例
貝沼 知男
1
,
庄山 文子
1
,
斎藤 和
2
1新潟労災病院内科
2新潟労災病院皮膚科
pp.1529-1532
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203845
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薬剤による肝障害は決して稀ではない.抗生剤ではErythromycin estolate,Triacetyl-oleandomycinなどに比較的多いことはよく知られている.しかし他の抗生剤についても肝障害例がないわけではなく,また使用頻度が多くなれば肝障害例も増加すると考えられる.
Cephaloridine(CERと略記)は,すぐれた抗菌作用と副作用の少ないことから,最近広く使用されている抗生剤であるが,CERにより重篤な肝障害を呈した症例は知られていない.最近,筆者らは,CER投与中に著明な肝障害を呈し,CERによる中毒性肝炎と診断した症例を経験した.このような症例は臨床的に興味があるばかりでなく,今後のCER療法に際し注意すべき点を示唆するものと考え,その大要を報告する.
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