新薬の紹介
2,3の新しい降圧剤
荒川 規矩男
1
1九大循環器科
pp.1514-1515
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203842
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交感神経末端のノルアドレナリン遊離を抑えて降圧をもたらす.同種作用の先輩格であるBretylium(ダレンチン)とGuanethidine(イスメリン)の合いの子(図1参照)として開発され,したがって作用上も両者の長所を備え.欠点を少なくしている.すなわち組織カテコラミン含量をあまり低下させず,下痢などの副作用少なく,吸収排泄が速やか(経口投与後5時間前後で最大効果,12時間でほとんど排泄)で,自由に急速な血圧の調節が行なえる.腎血流量を減らさないので,どちらかというと腎性や悪性の高血圧症に向いている.特に他の降圧剤に祇抗する高血圧症では,少量を加えて劇的な降圧をみることがある.ただし効きの悪い例で強く用いると,副作用(起立性低血圧,倦怠感,鼻閉など)が出てくるので,本態性高血圧症ではThiazideの補助剤としたほうがよいようである.
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