特別記事・学会の話題 '71 日本医学会総会・内科関係学会から
これからの総会に期待するもの—第18回日本医学会総会を省みて(4月5,6,7日:東京)
木島 昂
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1日医広報
pp.1126
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203734
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谷川講演における"ヒューマニズム"の価値
俗に"4月には三日晴れなし"とか,"染井吉野は1日北に20キロ"などと言われています.幸運にも,4月5日はこのところ稀にみる快晴,武道館のある北の丸公園の桜も満開,会期3日間がまず気象的に恵まれていました.
受けとめようは人さまざまでしょうが,今総会で私の収穫はまず谷川徹三先生の開会特別講演でした.全くおこがましいことですが,私は先生の講演をお聞きする前に,勝手にその内容を想像して予定原稿を書いてみました.講演とそれとつき合わせてみると私のは講演の中のごく一部分で,現実の医療の土俵の中だけでヒューマニズムを考え反省していました.谷川先生のヒューマニズムは人文学的にヒューマニズムの歴史からひもといたもので,社会文化構造の力関係からヒューマニズムの価値変動を知る"見かた"を啓発してくださいました.このことが,その後の総会会場を歩く私をずっと左右したと思います.
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