臨牀講義
食道下部良性狹窄
中山 恒明
1
1千葉醫科大學中山外科教室
pp.60-62
発行日 1947年9月20日
Published Date 1947/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200244
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食道下部即ち食道横隔膜裂口部竝に胃噴門部の狹窄を主訴として,我々の外來を訪れる患者は屡々ある。特に私の教室ではこの方面の診斷竝に治療を一つの教室の研究主題として居るのでそうした種類の患者を診る事が多い。今日はそうした食道下部の狹窄の症状を呈する疾患の内,癌腫等の惡性腫瘍に依る狹窄でない所謂良性狹窄の患者を供覽し其の既往竝びに現病歴,現症諸檢査の結果に就いて述べ,諸君と共に診斷を考へ,そして最良の治療法に就いて述べ,次いで其の治療法即ち手術を施行し診断が適確であつたかどうかを確め且術後の經過は毎週のこの臨牀講義の時間に諸君に呈示してあの樣な患者にあの樣な手術をしてどの樣な經過で患者が全治するか又は輕快するか,もしくは増惡又は死亡するか,増惡もしくは死亡する樣な場合には其の原因と思はれるものは何であるかを諸君と其に追求することとする。
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