ルポルタージュ
よそ者を貝にする島—舳倉島とひとりの女医さん
木島 昂
1
1日委広報
pp.1462-1465
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203340
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石川県は奥能登,その北岸最大の漁港である<輪島港>は5月1日から半年間,魚獲市場のほかに海路のターミナルとしてもにぎわう.洋上はるか48キロ,長い冬の間,日本海の時化に身動きできなかったケシ粒ほどの島<舳倉島>に1日1往復の連絡船が運航を始めるからである.白い船体の"あすなろ丸"80トンの出番であるこの期間は,海女漁法と観光で島には夏のドラマが展開される.しかし,潮がひくように島民の数もへってしまう島の冬場,訪ねる人とてない離島に,1人の女医さんが常駐していることについてはほとんど知られていない.
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